美術

浮世絵名品展~名古屋ボストン美術館

近頃浮世絵展が盛んです。

名古屋市美術館で開催の’北斎展‘も含めて全国巡回しており、テレビで取り上げられる頻度も高い。北斎展も含め、海外に存在する浮世絵コレクションの膨大な数と、その保存状態の良さ、という現実から、江戸時代から明治における日本国内での評価の低さが背景にあるのではないか、逆に‘芸術性‘よりも庶民性の高い文化だったのではないか、などと勝手に思いを馳せるしだいです。

確かに実物を見ると紙の保存状態がとても良くてびっくり。昨年三重県立美術館で見た北斎の東海道五十三次の色彩とはまったく異なっていました。

個人的には歌川国芳のコンセプト、構図<ダイナミック!>、人物像と広重の風景画が好きですが、今回の北斎の桔梗にとんぼもその色使いがよかったです。

団扇用の下絵や、暦絵の存在や、司馬江漢の銅版筆彩なども興味深かった。

広重の名所江戸百景を全部そろいで見てみたい。江戸東京博物館で展示されているようなのですが、来月中には無理かな。Midokorop1_2

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フィラデルフィア美術館展~東京都美術館

今回の上京中、大混雑の中東京都美術館にも行った。

とにかく贅沢な展覧会を堪能!印象派からアメリカ近代絵画まで70点あまり、有名絵画が並んでいた。フェルメール展に行くか迷ったが、こちらを選んで良かった、と思う。

世界中の名画はアメリカに集中している、ということを改めて実感。先日も芸術新潮でニューヨークの美術館特集をしていて、アメリカの大富豪たちが名画をたくさん手に入れ、そして美術館に惜しげもなく寄贈しているのだと書かれていた。とにかく規模が違う、のである。アメリカ人のヨーロッパに対する憧れは私たちが想像するより強いものなのだろう。

全体に非常に混雑していたが、印象派のブースは息苦しくなるほど集中していた。モネが3点。晩年目が見えなくなってから描かれた睡蓮は、何が描かれているのかわからないほどだったが、色使いはむしろ全盛期よりも生命力にあふれているようで興味深かった。ルノワールは4点。「ルグラン嬢の肖像」は、とにかく愛らしくて引き込まれる。色気が漂うような作品にくらべ異彩を放っていたのが「アリーヌシャリゴの肖像」。ルノワールの妻に対する愛情がそこには流れていて、とてもさわやかな印象である。Img01

ピカソの「三人の音楽師」、ミロの「月に吠える犬」、ルオーの「薔薇を持つピエロ」もよかった。

アメリカ美術では、美の巨人たちでも紹介されていたジョージアオキーフの「ピンクの地の上の2本のカラ・リリー」を楽しみにしていた。存在感があり、ずっと見ていたい気持ちになった。花芯のために性的な意味合いを求めてしまうのではないかと思ったが、実際の絵を見ると、性的意味合いよりも、純粋に花に引き込まれている画家の姿が想像できるような気がした。一方、ドロテア・タニングの「誕生日」は絵に隠された意味がいっぱいありそうで、強烈な個性が出ていた。05_a

メトロポリタン美術館とともに、フィラデルフィア美術館もぜひ訪れてみたいものだ。

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レンブラント版画展~名古屋ボストン美術館

レンブラント作品といえば、どの美術館でお目にかかっても、必ず「自画像」に当たるのではないか、と思うほど自画像をたくさん描いている画家、というイメージがある。

レンブラントの銅版画を集めた今回の展覧会にも、いくつもの自画像が登場した。31_01_16_2 確かこの版画は、カラバッジョの自画像を見て、ポーズなどをまねて作ったとのこと。きらびやかな衣装に身をまとったり、浮浪者の格好の自画像があったりした。しかし、晩年の自画像は、自室で着ている作業着などの姿が多かったという。晩年のレンブラントは家族を失い、富も失い、失意のなかで細々と作品を作っていて、そんな状況から自画像にも影響が出てきたのだろうか。

油彩画も素晴らしいが、銅版画でも光と影の表現は独特だ。エッチングとドライポイントの組み合わせや、和紙の使用など、技法の開拓者でもあったということがわかる。

でも、線が主体だからなのだろうか。版画による線の柔らかさなのか、油彩画とは決定的に異なる世界がひろがる。版画の世界もとことん奥が深い。。

私が好きだったのは、「三本の木」、「説教をするキリスト(100フルデン版画)」。

展覧会でひとつだけ残念だったのは、レンブラント版画のはがきがほとんど置いてなかったこと。はがきコレクターの私としては。。。

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「鳥獣戯画がやってきた!」~サントリー美術館

鳥獣戯画といえば、日本史で必ず出てくる有名な絵巻、というイメージのみで、それ以上は何の知識もない。今回サントリー美術館で、「国宝」である鳥獣戯画4巻がすべて公開になるというので、みいはあ気分で行ってきた。正直言ってあまり期待していなかった。

しかし、である。実際行ってみて、とても楽しめたし、勉強になった。今回のおもしろさを3つにまとめてみた。Maintitle

1.全四巻というものの

蛙や兎に擬人化された甲巻の印象が強いが、全四巻の残り乙・丙・丁は、描かれた時代も平安時代から鎌倉時代に及ぶ。画風もそれぞれに違い、筆のタッチ、繊細さ、なども特徴がある。描かれる内容も擬人化されていない巻もあった。展覧会はこの四巻の展示からはじまる。人ごみを考慮してか、実際の絵巻の上段にレプリカが展示されていて、少し離れていても見えるようになっていて、ありがたかった。実際とても混んでいたので。当時の遊び方など細かくみていると「へえー」の連続で、思わず見入ってしまう。ユニークな表情やキャラクターたちもインパクトが強い。

2.鳥獣戯画のすごさ

展覧会の後半を見ていると、実は鳥獣戯画絵巻の潮流が江戸時代まで受け継がれている、ということがわかってくる。そして、日本の漫画・アニメの源流になっているのかなあ、などと思わせてくれる。

3.その他のびっくり絵巻

なんといっても圧巻は、勝絵絵巻と放屁合戦絵巻!ユーモアを通り越して破廉恥だったりするが、なんとも可笑しい。

日本史を学んだ頃に今回のような「おもしろさ」が実感できればよかったのに。結局、自分たちが学んできた「日本史」は実につまらないものだったのだと改めて実感。日本史に限らず、受験勉強のなかで「興味」を持って「学ぶ」ということが、余裕のない私にはできなかったのだろう。そんなことを改めて考えさせてくれた「鳥獣戯画」恐るべし。

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「画家 岸田劉生の軌跡」 ~刈谷市美術館

ー写実的神秘派ー

劉生が自らが目指す道をこう評したとおり、独特の世界を感じることができた。

28日で閉幕する岸田劉生展を見に、27日刈谷市美術館に向かった。

劉生といえば’麗子像’が有名であるが、この展覧会でも有名な「麗子五歳之像」「童女図」以外にも、初めて日本髪に結った十六歳之像や、寒山風麗子像や丹畫麗子像などユニークなものも含まれていた。結核で臥せりがちな劉生にとって、近所の風景や静物、そして愛娘や近所の娘(おまつちゃん)が身近な題材にならざるを得なかったのかもしれない。しかし、身近なものにこそ感じられる生命力やはかなさ、といったものを描こうとしていたのだろう。やはり静物(「林檎と葡萄」)を見ていると、独特の世界に引き込まれる感じがする。きっとこの絵を描いたときの揺ぎない追求心がそこにあったにちがいないと思う。解説にもあった’静謐’という言葉がぴったりだ。私は絵画を見るときに時々その絵に’魔法’がかかっているのではないかと思うほど引き込まれることがある。この展覧会では「麗子五歳之像」と「静物」だった。

今回、油絵以外に、水彩や素描、版画などもあったが、装丁画がたくさん集められていて興味深かった。絵画と違い、ところどころにユーモアのあるモチーフが入っていて、本屋に並べられていたら、思わず本を手にとってしまうだろう。

展覧会で残念なことがひとつ。最初の部屋の絵がガラス越しでしか見られなかったこと。特に期待していた絵だけに、ガラス越しに角度を変えてみざるを得なかった。美術館が小さいため仕方のない処置なのかもしれないね。

刈谷市美術館に行くにあたって、伊勢湾岸高速の刈谷SAに寄るのを楽しみにしていた。観覧車まであってとても広く、お土産もいっぱいあるので、楽しい気分になる。それから、デラックストイレ!真ん中に待合、端を囲むようにトイレが並んでいて、木彫作りという変わったトイレ。ちょっと見過ごしてしまいそうなので、混んでないのもちょっとうれしい。

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居心地の良い場所  青の世界-東山魁夷館-

週末に念願の長野県信濃美術館・東山魁夷館を訪れた。特に今回は「青の世界」。あの群青色を基調とした最も心引かれる作品が見られるとあって入館する前から期待が膨らんだ。これもまた初めて訪れた善光寺のあと、照りつける太陽と人の喧騒から逃れるように入ると、そこは静かで落ち着いた世界だった。

決して多くの作品が展示されているのではないが、「白馬の森」「春兆」「夕静寂」の3作品を軸に京都、北欧、大和、ドイツ・オーストリア、唐招提寺障壁画のための日本の海・山のスケッチなどが並んでいる。そして絶筆となった「夕星」も。

「白馬の森」の傍らには、

...この馬は何を表しているのかと、時々人から聞かれたことがあります。私は「白い馬は私の心の祈りです」と答えるだけで、見る人の想像に任せて来ました。あなたはどのように感じられるでしょうか。といった文章が添えられている。

ほどよく空いた館内のソファに座って、私はじっと考えていた。私の祈りとは希望とは。。。答えがすぐに見つからない私だが、この絵を見ていると純粋に穏やかで澄んだ気持ちになっていく感じがして、ずっとここにたたずんでいたい、と思わずにいられなかった。

我が家から長野市は結構遠い(車で5時間くらい)のだが、また絶対に訪れようと思う。1200点という作品をこれからどれだけ見られるのだろう。Hakuba

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「浮世絵」夢と情報をのせたメディア展

今日は「浮世絵ー夢と情報をのせたメディア展三重県立美術館)」を鑑賞。

江戸時代では、浮世絵は旅先の情報や出来事を伝える手段であるばかりか、役者のプロマイドや広告・宣伝という役割を果たしていた、という視点から企画された展覧会。東海道五十三次にゆかりの深い、かめやま美術館所蔵の浮世絵作品が展示されていた。

「歌川広重 保永堂版 東海道五十三次」Ukiyoe_2

圧倒的な構図と色!一目で釘付けになってしまう。解説では、東海道中膝栗毛の弥次さん喜多さんを思わせる設定や、広重のフィクションと考えられる雪や構図などについて触れていて、興味深い。当時伊勢参りがいかに大きなイベントであったことか。この展覧会の中で最も引き込まれる作品が多かった。

「北斎の東海道五十三次」

広重に比べて、一つ一つが繊細に描かれている。構図や顔、着物の描写もまったく異なっていておもしろい。ただ、もともとなのか、保存状態のためなのか、薄い色が目立っていた。そのほかにも美人画も多数。美人画の‘美人‘たちは皆体を少しくねらせて、首も回旋し斜め30度を向く、という姿勢をとっていた。以前、京都で舞妓体験をしたことがあって、プロのカメラマンさんに写真を撮ってもらえる機会があったのだが、このときに誘導されたポーズがまさにそれ!女性が色っぽく見える姿勢なのかな。。。

また、東海道五十三次に登場する地名のなかで、亀山、坂ノ下のあたりの景色が印象的であった。いつも国道1号線の通り道で、立ち寄ることがない場所なので、今度散策してみたくなった。

展覧会で気になったのは、照明。美術品の保存のためなのか、全体に会場が暗く感じた。勿体無い。

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ダリ展

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名古屋市美術館で開催中のダリ展を鑑賞。

もともと東山魁夷など風景画を好む私にとっては、ダリのイメージというのは”派手”で”グロテスク”といったもので、学生時代の教科書に載せられていたゆがんだ時計と一緒で、屈折していてとっつきにくい感じがしていた。

仕事の影響で朝一番の鑑賞ができず、牛歩戦術のような足取りに追従する鑑賞となった。が、それはさておき、実際の絵画を見てダリに対する印象は一変したように思う。緻密で繊細で、近くで見ないとわからない仕掛けもいっぱいあって、チャーミングな印象だった。もちろんグロテスクな表現や、性の表現が独特だったりするけれど。

私が気に入ったのは、初期の「壊れた橋と夢」。そして、妻の死去後に描いた「地質学的反響 ラピエタ」。どちらも大きな心境の変化の中で葛藤し、葛藤した上で描かれた印象が強い。派手でセンセーショナルな作品の中で比較的素直な作品だったのかもしれない。それにしても、あの色彩感覚はスペイン人ならではなのかな。もっとたくさんの作品を見ておきたい、と思った。

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シャガール展-愛がいっぱい-

朝からにシャガール展を見に行った。緑から眩しい木漏れ日がキラキラと光り、心地よい週末のひと時。とはいえ朝早く起きて仕事を片付けなくてはならず、大急ぎだったけど。シャガールの絵はこれまでいろんな美術館でたくさん見てきたが、今回はじっくりと初期から晩期までの作品をゆっくりと堪能することができた。波乱に満ちた97年の人生。ユダヤ人であること、ユダヤ人大量虐殺で多くの同志を失ったこと、それを免れたことへの呵責、愛する妻と娘、そして最愛の妻の死、パリへの帰郷。時間の経過とともにシャガールの表現する世界は完全に一点に絞られていったことがよくわかる。夫婦、花、子供、牛、鳥、エッフェル塔、月。。。晩年の絵にはこれらの要素がすべて詰まった絵が多い。愛を伝える絵たち。世界各国でシャガールの絵が人々の平和に対する心に響いていることを願う。

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「枝」がもっとも印象深い展覧会だった。

今日は麦畑の写真です。

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